住環境における福祉の考え方
障害者や高齢者が住宅で快適な暮らしをおくるには、住宅の質をあげる事が大切です。ここでは「福祉」に関しての基本的な部分を学習しましょう。
福祉とはすべて人が安心して生活できるようにとの考えに基づいています。福祉住環境コーディネーターとして、障害者や高齢者といった人を取り巻く環境や背景を考慮しながら、援助する側の役割を理解しなければなりません。
従来は弱者の救済として経済給付や地域から離して収容保護が福祉としてのとらえ方でした。新世紀における福祉の基本は、本人の意思の尊重に基づいて、福祉サービスの利用者が自らの選択において決定。
そして豊かな生活を自ら作り上げる事にあります。収容という事に決別し、安全・快適・安心な環境をつくる為に社会資源や人的資源を活用し、その人らしく生活できる福祉環境を提供する。
そしてより豊かな生活の質を約束する事が住環境における福祉の考え方になってきました。
高齢者の特性
人は誰しも老化します。老化による身体の機能の低下は全身にみられ、感覚機能や運動機能の低下は生活に支障をきたします。高齢者が生活する家では、安全で安心して住めるように、機能の低下に備えた住環境整備が必要になるでしょう。
身体的な特性としては、聴覚と視覚の機能の低下。加齢により目の水晶体というものの弾力性が低下し、網膜での焦点が合いにくくなります。これを老眼といいます。聴覚や視覚の低下は交通事故や転倒につながり、未然に防ぐ必要があります。
次に心臓や血管機能の低下。これも加齢とともに血管の弾力性がなくなり、動脈硬化が進み血液の流れが悪くなる事で高血圧症などを招いたりします。
これらの問題を解決するために、長距離を歩く時は休息をとる癖をつけておく事が重要である。
しかし、身体の機能低下は住環境や生活環境に大きく密接しています。つまり未然にリスクを回避したり予防したりする事もできるのです。
高齢者と障害者の症状は一人ひとり異なり、一人ひとりに適切な対応が必要です。福祉住環境コーディネーターとして、より良い環境作りを心掛けて下さい。
福祉住環境整備の基本技術
まず住宅の段差を減らすという点です。屋外との段差を解消する場合、建築基準法で一階居室の木造床は地盤面から450mm以上の高さが必要になっています。つまり必ず屋外との段差が発生してきます。
それらは敷地に合ったスロープの設置で解消しましょう。車椅子の場合、スロープがあればスムーズに移動できますし、転倒などの事故も防止できます。
次は手すりの取り付けです。手すりの種類は、トイレや浴室に使用するグラブバーと廊下や階段に使用するハンドレールというものがあります。ポイントとしては障害者や高齢者が安全に掴めるよう、頑丈に固定する事が絶対条件。
手すりの基本は円柱であるが、肘や手を滑らせて移動する方法もあるので、使用者の状況に応じて変えていく必要があります。また取り付けの際の、在来工法と枠組み壁工法の2つは覚えておきましょう。
快適な住環境整備を進めていく為には、このような基本的な技術の学習が大切です。
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